論文の翻訳にも、数式をそのまま

Read Frog 1.46.8 では、対訳表示で数式が消えたり崩れたりする問題を修正。変数、図の説明、実験条件を訳文と一緒に確認できます。

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数式保持のイメージ:原文と訳文に同じ数式が表示される

論文の重要な説明を読んでいるのに、文章は翻訳されても、その中の数式が消えてしまう。

著者は瞬間速度 v と平均速度 u を区別しているのに、訳文には変数がない。実験条件の 256 × 256 が 256256 になる。原文に戻って記号を補い、議論の流れを追い直す必要があります。

Read Frog 1.46.8 は、Web ページの対訳表示で数式が欠落する問題を修正しました。 文中の数式を元のページの組版を保ったまま訳文に表示できるようになり、説明と記号を一緒に読み進められます。

Lil’Log のオートエンコーダ解説:簡体字中国語の訳文にエンコーダ・デコーダ関数、パラメーター、入れ子の式が保持されている

Lil’Log のオートエンコーダ解説の英語・中国語対訳。緑色の簡体字中国語訳にはエンコーダとデコーダの関数、パラメーター、再構成の式が残り、上の英語と照合できます。

研究では、記号一つにも意味がある

数式は独立した行だけにあるわけではありません。変数の定義、分布の仮定、損失関数、実験パラメーターは、本文や図のキャプションにも登場します。

次は違いを示すための簡略化した例です。

状態表示される文
英語の原文We distinguish instantaneous velocity v from average velocity u.
数式が欠落した訳文の例瞬間速度と平均速度を区別します。
数式を保持した訳文の例瞬間速度 v と平均速度 u を区別します。

二つ目の文も自然に読めますが、次の式に出てくる vu がそれぞれ何を表すのか分かりません。

研究のための翻訳には、原文と照合できる情報が必要です。 添字はサンプルを区別し、上付き文字はべき乗を表し、ギリシャ文字はパラメーターを示すことがあります。記号を保持することで、説明と式を結び付けられます。

手法の理解から、図の確認と再現まで

変数の定義を見失わずに読む

機械学習の論文では、一つの段落で入力、目標分布、予測値、損失関数を導入することがあります。数式が訳文に残っていれば、記号を探すために何度も原文へ戻らずに、それぞれの関係を追えます。

数学、物理、統計でも同じです。文章と記号が互いを説明しているなら、訳文にも両方が必要です。

図の説明を、実験条件と一緒に読む

キャプションには、比較する変数や使用したパラメーター、結果が得られた条件が短い文章に詰まっています。

今回の修正は、キャプション内や太字・斜体・リンク内にある文中数式にも対応します。曲線の説明と記号を一緒に読み、図と照合しやすくなります。

再現時に式とパラメーターを照合する

論文を再現するには、大意だけでなく、次元、解像度、パラメーター、目的関数を確認する必要があります。256 × 256 から乗算記号が消えると意味が変わります。

元の数式を保持した訳文は、原文、コード、実験設定を比較するときにも役立ちます。対訳表示では原文が上に残るので、重要な定義や結論をその場で確認できます。

何が変わったのか

以前は、翻訳用のテキストを抽出する際に数式を飛ばしたり、組版された数式を崩れた文字列にしてしまったりすることがありました。抽出時に失われた内容は、翻訳モデルを変えても戻りません。

Read Frog は数式とその位置を保持し、周囲の文章を翻訳してから、対応する位置に元の数式を戻すようになりました。上下の添字、分数、フォントは元のページの数式組版を引き継ぎます。

arXiv のネイティブ MathML、MathJax、KaTeX、Wikipedia の数式など、一般的な形式に標準対応しています。arXiv の HTML 論文、Flow Matching の解説、研究ブログ、Wikipedia などで検証済みです。一般的な形式では追加設定は不要です。

対象は Web ページの対訳表示における数式の保持です。arXiv では論文の HTML ページを開いてください。独立した行の数式は原文に残ります。PDF 内の数式処理は今回の変更に含まれません。

翻訳サービスが数式の位置マーカーを落とす場合には、数式を訳文の末尾に補います。末尾に数式がある場合は、上の原文で本来の位置を確認できます。

1.46.8 に更新して、あの論文の続きを

  1. 拡張機能が Read Frog 1.46.8 以降になっていることを確認します。
  2. こちらの arXiv HTML 論文など、数式のあるページを開きます。
  3. Web ページの対訳表示を開始し、変数の定義や図のキャプションを読んでみてください。

数式専用のスイッチはありません。いつもどおり翻訳すれば、読み慣れた言語と元の数学表現を一緒に読めます。

消えた記号を探す時間を減らし、仮定が成り立つ理由や導出の過程、結果の再現性を考えることに集中できるようにしたいと考えています。

表示が崩れる数式を見つけたら、ページの URL、翻訳サービス、スクリーンショットを添えて GitHub Issues にご連絡ください。詳細は PR #21551.46.8 リリースノート をご覧ください。

作者

Read Frog Team

2026年9月05日(土)

拡張バージョン

1.46.8