
同じ語が、3 通りに
言語モデルについての長い記事を読んでいるとします。最初の段落で prompt は「プロンプト」と訳され、4 つめの段落では「指示文」になり、ページの終わりには「命令」になっています。
厳密に言えば、どれも間違いではありません。段落はそれぞれ単独で翻訳され、そのたびにモデルは妥当な語を選んだだけです。しかし記事全体を頭の中でつなげているのはあなたで、その足元で訳語が揺れ続けます。
名前でも同じことが起きます。フォーラムのスレッドにあるユーザー名が親切に翻訳され、もはやユーザー名ではなくなる。ゲーム wiki のキャラクター名が 1 ページの中で 3 通りになる。コードの識別子が普通の文章になる。
Read Frog 1.47.0 に用語集が加わりました。 その語がどうあるべきかを一度伝えておけば、以降の AI 翻訳はすべてその訳語を使います。
一覧を 1 つ作れば、あとは揺れません
設定を開き、詳細設定 → 用語集 に進んで用語集を追加します。そこに用語を入れていきます。語と、その語に言ってほしい内容です。

これだけです。prompt はこれから「プロンプト」です。この段落でも、次の段落でも、明日読むどのページでも。
そもそも訳してほしくない語もある
訳語を 空 のままにすると、その行は 原文のまま と表示されます。Read Frog はモデルに対し、その語をそのまま再現するよう指示します。同じ文字、同じ文字体系、同じ大文字・小文字で、音訳も翻字もせず、引用符をそっと付け足すこともしません。
名前が求めているのはこれです。ユーザー名、ハンドル名、製品名、ライブラリ名、ゲーム内アイテム——翻訳された瞬間に役に立たなくなるものたちです。
そして「この語には触れない」はどの言語に訳すときでも成り立つので、こうした用語は既定で すべての言語 に登録されます。翻訳先を中国語から日本語に切り替えても、そのまま効き続けます。期待どおりの挙動であり、言語ごとの一覧では実現できないところです。
仕事用に 1 つ、あの wiki 用に 1 つ
仕事の語彙がゲーム wiki までついてくる必要はありません。だから用語は用語集の中にあり、用語集ごとにウェブサイトの一覧を持ちます。

ウェブサイト一覧を空にしておけば用語集はどこでも有効です。1 件でも追加すれば、そこでだけ有効になります。

*.example.com はそのサイトとサブドメインを含み、example.com だけならそのアドレスにのみ一致します。* は先頭専用でもありません。example.com/novel/12345/* と書けば、サイト全体ではなく小説サイトの 1 作品だけに用語集を効かせられます。しばらく脇に置きたいときは、スイッチで用語集ごとオフにできます。用語はそのまま残ります。
効かない場所では、何のコストもかからない
用語集は、うっかりするとすべての翻訳への課税になりかねません。出てくるかどうかに関係なく、用語の塊を毎回のリクエストに貼り付けるようなやり方です。
Read Frog はそうしません。先に段落を走査し、そこに実際に現れた用語だけを送ります。5,000 件の用語集でも、1 件も使われないページではリクエストに何も追加されません。送られるプロンプトは用語集がまったくない場合とバイト単位で同一なので、翻訳キャッシュも無傷のままです。
一致の判定は「何を 1 つの語とみなすか」に対して丁寧で、しかも対応するすべての文字体系でそうです。cat は category の中には一致しません。caf は café の中には一致しません。中国語・日本語・韓国語・タイ語・クメール語の用語は前後に空白がなくても一致します。これらの言語はそこに空白を置かないからです。C++ は記号の隣でも一致します。そして Chort と Chort Bay の両方が一覧にあれば、長いほうが効くべき場所で勝ち、効かない場所では短いほうを隠しません。
ほかに入ったもの
- 用語をその場で編集。 行の鉛筆をクリックすると、その行が入力欄に変わります。用語、訳語、翻訳先の言語、そして大文字小文字の一致です。誤字の修正のために行を消してすべて打ち直す必要はもうありません。
- 大文字と小文字を区別。 情報技術としての
ITを、記事中のごく普通の "it" まで巻き込まずに指定できます。 - 用語集は Google Drive で同期 されます。設定と一緒に、ただし専用のファイルに保存されます。上書きではなく統合なので、2 台で別々に追加した用語は 1 つの一覧にまとまり、片方で削除した用語が戻ってくることもありません。2 つのコピーが本当に食い違う場合は両方が表示され、あなたが選びます。どの同期も直後のトーストから取り消せます。
- CSV でのインポートとエクスポート。 さらに、設定のエクスポートにも用語集が含まれるようになりました。

用語集はプロンプトに含めて送られるため、LLM プロバイダー で動作する機能——ページ翻訳、動画字幕、選択ツールバー翻訳、入力翻訳——にのみ届きます。Google 翻訳や Microsoft 翻訳などの純粋な翻訳 API は用語集を運べません。4 つの機能のうちどれが現在 LLM で動いているかは、用語集のページに表示されます。
まずは 5 語から
腰を据えて用語データベースを作る必要はありません。用語集を 1 つ開いておき、次に翻訳の訳語が引っかかったとき、その語を入れるだけです。5 件もあれば、長い記事が 40 人ではなく 1 人の手で訳されたように読めるようになります。
ウェブサイトの書き方、翻訳先の言語、CSV の形式、2 つの用語集が競合したときの解決方法など、詳しくは用語集ガイドをご覧ください。
作者
Read Frog Team
で
2026年9月12日(土)
拡張バージョン
1.47.0