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ウェブページの対訳翻訳:6 つのオープンソース拡張機能を比較

Read Frog、FluentRead、KISS Translator、OnlyTranslate、Interline、Linguist は、どれもウェブページを翻訳するオープンソースのブラウザ拡張機能です。何を翻訳できるか、どの翻訳エンジンに対応しているか、単語を覚えるのに役立つか、ライセンス、料金のしくみ、対応ブラウザを比べました。

RF作者 Read Frog Team

翻訳拡張機能は、翻訳するページをすべて読み取ります。API キーを預かっているものも少なくありません。コードを誰でも読めるものを選ぶ理由としては、それで十分です。いまはオープンソースの選択肢もいくつかあり、その多くは原文の各段落の下に訳文を表示します。違いが出るのは次のような点です。

  • ウェブページ以外に何を翻訳できるか:選択したテキスト、入力欄、動画の字幕、文書
  • どの翻訳エンジンに対応しているか、そのうち API キーなしで使えるのはどれか
  • 調べた単語を覚えるのに役立つか
  • ライセンス、料金のしくみ、対応ブラウザ

以下では、6 つのオープンソース拡張機能を、この観点で順に見ていきます。Read Frog は私たちが開発しているので、最初に取り上げます。ほかの拡張機能に関する情報は、それぞれの公式サイト、ドキュメント、ストアの掲載ページ、GitHub リポジトリによるもので、2026 年 10 月に確認しました。その時点では、6 つとも更新が続いていました。拡張機能は頻繁に変わるので、インストールの前にそれぞれのサイトで確かめてください。オープンソースではないイマーシブ翻訳と Read Frog を比べたい場合は、Read Frog vs イマーシブ翻訳をご覧ください。

早見表

拡張機能対訳ページほかに翻訳できるもの単語学習ライセンス
Read Frog✓選択範囲、入力欄、字幕、PDFAI で調べる、ノート、FSRS で復習GPL-3.0
FluentRead✓選択範囲、入力欄、字幕、画像、文書単語保存、復習、Anki へエクスポートGPL-3.0
KISS Translator✓選択範囲、入力欄、YouTube 字幕単語保存GPL-3.0
OnlyTranslate✓選択範囲、入力欄、字幕—GPL-3.0
Interline✓選択範囲、入力欄AI の語彙注釈MIT
Linguistホバーで原文表示選択範囲、Netflix 字幕個人辞書BSD-3-Clause

「—」は、公式サイトにもドキュメントにも記載がないことを示します。対応ブラウザは、以下の各拡張機能のセクションに記載しています。

1. Read Frog

ウェブページを対訳で翻訳し、読んだものから学べるようにするオープンソースの拡張機能です。単語を調べ、長い文を分解し、保存したものをフラッシュカードで復習できます。

  • 翻訳できるもの:ウェブページ全体を、対訳または翻訳のみで、本文だけかページ上のすべてを選んで翻訳します。ホバー翻訳なら 1 段落ずつ翻訳できます。選択したテキスト、入力欄に打った文章(スペースキーを 3 回押すと翻訳)、YouTube・X・Netflix の字幕にも対応しています。readfrog.app では、PDF をレイアウトを保ったまま翻訳することもできます。
  • 翻訳エンジン:Google 翻訳と Microsoft 翻訳は、アカウントも API キーもなしで使えます。DeepL や DeepLX、自分のキーで使う OpenAI・DeepSeek・Gemini・Claude などの LLM、任意の OpenAI 互換 API、Ollama や LM Studio で動かすローカルモデルを追加することもできます。LLM を使う場合は、AI スマートコンテキストがページの要約を各段落と一緒に送るので、人名や用語の訳がいつも同じになります。
  • 学習機能:ページや字幕で単語や文を選択し、辞書引きや構文解析などのカスタム AI アクションを実行します。無料アカウントがあれば、結果を出典の文と一緒に Notebase に保存でき、カードテンプレートを加えると、毎回の復習を FSRS がスケジュールします。
  • オープンソース:はい(GPL-3.0)。
  • 料金:ページ、選択範囲、入力欄、字幕の翻訳は、自分で用意したプロバイダーを使えば無料で、アカウントも不要です。Pro と Ultra では、これらの機能に使える組み込み AI の利用枠、無制限のノートと復習、字幕のない動画向けの AI 字幕が加わります。
  • 対応ブラウザ:Chrome、Edge、Firefox。

語学を学ぶために翻訳していて、調べた単語に復習で再会したい人に向いています。設定の詳細はページと段落の翻訳をご覧ください。

2. FluentRead

幅広い範囲をカバーするオープンソースの拡張機能です。ウェブページ、画像、文書、動画や会議の字幕を翻訳でき、AI 読解カードと、保存した単語のための学習センターがあります。

  • 翻訳できるもの:ウェブページ(対訳または翻訳のみ)。ホバー翻訳、選択翻訳、入力欄の翻訳。画像内のテキストや、画面上で選択した範囲のテキスト。PDF、ePub、Word ファイル(二言語で読み、編集してエクスポートできます)。YouTube、X、Udemy、Disney+ の二言語字幕と、ウェブ版 Google Meet、Teams、Zoom の会議字幕。字幕のない X の動画は、デスクトップの拡張機能がデバイス上で音声を文字起こしできます。
  • 翻訳エンジン:Google をはじめとする、キー不要の無料サービス。DeepL と DeepLX。Azure、Google Cloud、Alibaba Cloud、Tencent Cloud、Baidu、Volcengine などのクラウド翻訳。自分のキーで使う AI サービスと OpenAI 互換エンドポイント。Ollama 経由のローカルモデル、または拡張機能にダウンロードして使う小型モデル。機能ごとに別のプロバイダーを選べます。
  • 学習機能:AI 読解カードが、段落を文脈として意味、文の構造、使い方を解説し、追加の質問にも答えます。単語、フレーズ、文を文脈ごと学習センターに保存し、ひとつずつ思い出してどれだけ覚えていたかを評価しながら復習するか、Anki にエクスポートできます。
  • オープンソース:はい(GPL-3.0)。
  • 料金:無料で、FluentRead のアカウントは不要です。接続した有料サービスの料金は、各提供元が請求します。
  • 対応ブラウザ:Chrome、Edge、Firefox。ユーザースクリプト版もあります。

ウェブページだけでなく文書や画像も翻訳し、Anki にエクスポートできる単語リストがほしい人に向いています。

3. KISS Translator

ミニマルなオープンソースの対訳翻訳ツールで、ユーザースクリプト版もあります。サイトごとの翻訳のしかたを細かく調整できます。設定とサイトルールは、WebDAV か、自分でホストする KISS-Worker で同期します。

  • 翻訳できるもの:ウェブページ(対訳または翻訳のみ。テキストの自動検出か、サイトごとに書いたルールを使います)。選択翻訳とホバー翻訳。ショートカットによる入力欄の翻訳。YouTube 字幕(AI による文の区切りと、字幕スタイルのカスタマイズに対応)。別の翻訳ウィンドウでは、複数のサービスの訳を並べて比べられます。
  • 翻訳エンジン:Google と Microsoft。Tencent と Volcengine。DeepL と DeepLX。OpenAI、Gemini、Claude、DeepSeek、OpenRouter、Ollama。Azure AI、Cloudflare AI、Chrome に組み込まれた AI 翻訳。そのほかの API もカスタム設定で使えます。自分の用語を AI 用語集として管理できます。
  • 学習機能:選択時のポップアップに英語辞書があり、単語を保存してリストにできます。保存した単語は、ページに出てくるとハイライトされます。復習については記載がありません。
  • オープンソース:はい(GPL-3.0)。
  • 料金:無料。AI サービスの料金は、自分のキーを通じて請求されます。
  • 対応ブラウザ:Chrome、Edge、Firefox。Thunderbird のアドオンもあります。ユーザースクリプトは Tampermonkey や Violentmonkey で動き、iOS の Safari でも Userscripts アプリを通じて使えます。

サイトごとの翻訳のしかたを調整したく、同期も自分のサーバーで済ませたい人に向いています。

4. OnlyTranslate

FluentRead のコードをもとにした新しめの拡張機能です。設定項目が少なく、読んでいるものの翻訳に絞っています。

  • 翻訳できるもの:ウェブページ(対訳または翻訳のみ。本文だけかページ全体かを選べます)。選択翻訳、ホバー翻訳、入力欄の翻訳。YouTube、Udemy、Coursera、Khan Academy の字幕(動画自体に字幕トラックがある場合)。
  • 翻訳エンジン:Microsoft と Google は設定なしで使え、ブラウザの中で動く Chrome 組み込みの翻訳機能も使えます。DeepL、OpenAI、DeepSeek、Gemini、Claude は自分のキーで使え、OpenAI 互換のゲートウェイにも対応しています。
  • 学習機能:公式サイトには、単語の保存や復習についての記載がありません。
  • オープンソース:はい(GPL-3.0)。
  • 料金:無料で、アカウントもサブスクリプションも不要です。追加したサービスの料金は、各提供元が請求します。
  • 対応ブラウザ:Chrome、Edge、Firefox。

FluentRead のページ翻訳を少ない設定で使い、講座サイトの字幕も翻訳したい人に向いています。

5. Interline

外国語で読み書きするための Chrome 拡張機能です。対訳ページ、選択して調べる機能、入力しているその場で下書きを翻訳する機能があります。

  • 翻訳できるもの:ウェブページ(対訳、翻訳のみ、原文のみの表示を選べ、表示スタイルは 10 種類)。選択したテキスト(訳文は読むほか、コピーや読み上げもできます)。入力欄といくつかのリッチテキストエディターの下書き(スペースキーを 3 回押すと、その場で翻訳されます)。どのサイトで自動翻訳するかは、サイトルールで決めます。
  • 翻訳エンジン:キー不要の組み込み Google 翻訳エンジン。自分のキーで使う OpenAI、Anthropic、Gemini、OpenRouter、または OpenAI や Anthropic の API と互換性のある任意のサービス(ローカルの Ollama を含む)。AI エンジンを使う場合は、翻訳スタイル、プロンプト、用語集を設定できます。
  • 学習機能:対応する AI エンジンでは、選択したテキストの翻訳に語彙の注釈が付きます。単語の保存については記載がありません。
  • オープンソース:はい(MIT)。
  • 料金:無料で、アカウントは不要です。API の利用料は AI プロバイダーが請求します。
  • 対応ブラウザ:Chrome 116 以降。

外国語を読むのと同じくらい書くことも多く、Chrome しか使わない人に向いています。

6. Linguist

プライバシーを軸にしたオープンソースの翻訳ツールです。インターネットに接続せず、デバイス上で翻訳できます。

  • 翻訳できるもの:ウェブページ全体をその場で翻訳します。訳文が原文と置き換わり、マウスポインターを乗せると原文が見えます。選択したテキスト、ポップアップに入力したテキスト、Netflix の字幕にも対応しています。
  • 翻訳エンジン:Google、Microsoft、Yandex が最初から使え、デバイス上で動くオフライン翻訳もあります。カスタム翻訳モジュールを使うと、ChatGPT、DeepL、Gemini、Ollama、LibreTranslate などのサービスを追加できます。
  • 学習機能:すべての翻訳が検索できる履歴に残り、項目をオフラインでも使える個人辞書に保存できます。訳文は音声で読み上げられます。復習については記載がありません。
  • オープンソース:はい(BSD-3-Clause)。
  • 料金:無料。寄付で支えられています。
  • 対応ブラウザ:Chrome などの Chromium 系ブラウザ、Firefox(Android 版 Firefox を含む)。

翻訳がデバイスの外に出ないことを重視し、原文と訳文を並べて見る必要はない人に向いています。

選び方

  • 外国語のページが読めればいい:6 つとも、ページ全体を翻訳でき、API キーなしで使えます。そのうち 5 つは原文の横に訳文を並べます。Linguist は原文を置き換え、ホバーで原文を表示します。
  • 調べた単語を覚えたい:Read Frog と FluentRead は、単語を文脈ごと保存し、復習で再び出してくれます。Read Frog は FSRS で復習のスケジュールを組み、FluentRead は Anki にエクスポートできます。KISS Translator と Linguist は単語を保存できますが、復習については記載がありません。
  • ウェブページ以外も翻訳する:Read Frog、FluentRead、KISS Translator、OnlyTranslate は動画の字幕を翻訳できます。FluentRead は画像、文書、会議の字幕にも対応し、Read Frog は readfrog.app で PDF を翻訳できます。
  • テキストを自分のパソコンから出したくない:Linguist はデバイス上でオフライン翻訳します。Read Frog、FluentRead、KISS Translator、Interline は、Ollama でローカルモデルを使えます。
  • ライセンスが気になる:Read Frog、FluentRead、KISS Translator、OnlyTranslate は GPL-3.0 なので、改変版を配布する人は誰でも、そのコードも公開しなければなりません。Interline(MIT)と Linguist(BSD-3-Clause)は寛容なライセンスで、クローズドソースでの再利用も認めています。
  • Chrome を使っていない:Interline は Chrome 専用です。ほかの 5 つは Firefox で動き、KISS Translator と FluentRead にはユーザースクリプト版もあります。

よくある質問

イマーシブ翻訳はオープンソースですか?

いいえ。GitHub のメインリポジトリにはオープンソースのライセンスがなく、初期のオープンソース版は 2023 年にアーカイブされました。上の 6 つは、どれもソースコードをすべて公開しています。

API キーは必要ですか?

使い始めるだけなら不要です。6 つとも、Google 翻訳や Microsoft 翻訳など、キーなしで使える無料のエンジンを備えています。自分のキーが必要になるのは、OpenAI、DeepSeek、Claude などの AI モデルを使うときだけで、利用した分はプロバイダーから請求されます。

2 つ同時にインストールできますか?

できます。ただし、同じサイトでページ翻訳をオンにするのはどちらか一方だけにしてください。そうしないと、各段落が二重に翻訳されます。

もっと楽に言語を学ぶ

学習に集中してください。残りは Read Frog が整えます。