Anki は復習の道具としてはよくできています。時間がかかるのはカード作りのほうです。単語をコピーして、辞書で調べて、意味を貼り付け、例文を取りに戻り、書式を整え、次の単語でまた同じことを繰り返す。20 分たってもカードは 6 枚で、読むのはとっくに止まっています。
そこでよく聞かれるのが、「読みながらカードを作ってくれるツールはないか」「AI でカードを作ってくれる、Anki の代わりになるものはないか」という 2 つの質問です。そうしたツールはいくつもあり、どの部分の作業を引き受けてくれるかがそれぞれ違います。
- 読みながらカードにする。 ウェブページや字幕で出会った単語をクリックすると、その単語から、出てきた文と一緒にカードが作られます。Read Frog、Yomitan、Migaku、Readlang、AnkiMate、AnkiBeam がこのタイプです。
- 資料からカードにする。 ノート、PDF、スライドを渡すと、AI が一問一答のカードを書きます。RemNote と Knowt がこのタイプで、AnkiMate もこれができます。
- 復習する場所。 Anki に書き込むタイプは、Anki を開いておく必要があります。独自の復習機能を持つツールもあり、そちらは Anki の代わりになります。
結論から言うと:ページを離れずに、読みながら単語カードを作りたいなら、Read Frog(無料でオープンソース。AI が文の中での単語の意味を解説し、復習は FSRS、ノートは CSV で Anki にエクスポートできます)か Yomitan(無料で辞書ベース、Anki に直接書き込みます)を試してください。主にドラマで学んでいて、お金を払ってもかまわないなら Migaku。Anki はそのまま使い続けて、カードを書く作業だけを自動化したいなら AnkiMate か AnkiBeam。語学ではなく、ノートや PDF で科目を勉強しているなら RemNote か Knowt を見てみてください。
Read Frog は私たちが開発しているので、最初に取り上げます。ほかのツールに関する情報は、それぞれの公式サイト、ヘルプドキュメント、ストアの掲載ページ、GitHub によるもので、2026 年 11 月に確認しました。こうしたツールは頻繁に変わるので、インストールの前にそれぞれのサイトで確かめてください。
早見表
| ツール | カードの作り方 | AI | 復習する場所 | Anki | 無料プラン |
|---|---|---|---|---|---|
| Read Frog | 単語を選択し、辞書を実行して保存をクリック | ✓ | Read Frog(FSRS) | CSV でエクスポート。AI 経由でデッキを取り込み | ✓(ノート 10 件) |
| Yomitan + AnkiConnect | 単語にカーソルを合わせ、キーを 1 つ押す | いいえ(辞書を使用) | Anki | Anki に直接書き込み | ✓ |
| Migaku | 字幕やページの単語をクリックし、もう一度クリック | ✓ | Migaku Memory または Anki | Anki アドオン | いいえ(10 日間のトライアル) |
| Readlang | 単語をクリック、またはフレーズをドラッグ | ✓ | Readlang | エクスポート | ✓(フレーズ翻訳は 1 日に上限) |
| AnkiMate | テキストを選択、またはページ全体・PDF・YouTube 動画から | ✓ | Anki | Anki に書き込み | ✓(生成は 1 日 3 回まで) |
| AnkiBeam | 単語を選択し、フローティングボタンをクリックして保存 | ✓(自分のキー) | Anki | Anki に書き込み | ✓(AI の料金は自分で払う) |
| RemNote | テキストを貼り付け、PDF やスライドをアップロード、ページからクリップ | ✓ | RemNote | .apkg のインポートとエクスポート | ✓(AI は制限あり) |
| Knowt | ノート、PDF、スライド、動画、講義の録音をアップロード | ✓ | Knowt | テキストの貼り付けでインポート。Anki へのエクスポートなし | ✓ |
詳しい内容と対応ブラウザは、以下の各ツールのセクションに記載しています。
1. Read Frog
Read Frog は、Chrome、Edge、Firefox 向けのオープンソースの AI 翻訳・語学学習拡張機能です。ページや字幕を翻訳するだけでなく、調べた単語をノートにし、そのノートからフラッシュカードを作り、ウェブアプリで復習のスケジュールを組みます。
ここからは、その一連の流れを実際の画面で見ていきます。現在のバージョンで、スペイン語の記事を使って録画しました。
単語を選んで保存する。 単語をダブルクリックし、表示されたツールバーで 辞書 を選ぶと、AI がその文での使われ方に沿って単語を解説します。内容は、発音、品詞、この文での意味、文の訳、覚え方のヒントです。Notebase に保存 をクリックします。初回は Notebase を作成しますか? と聞かれるので、作成して保存 を選びます。2 回目からは、保存するとそのまま追加されます。

保存したものはノートになる。 Notebase は、アカウントの中にある表です。1 回の保存が 1 行になり、単語、発音、品詞、意味、元の文、その訳、覚え方のヒント、難易度がそれぞれ別のフィールドに入ります。

カードは自動でできる。 カードの表に何を出し、裏に何を出すかは、カードテンプレートが決めます。この例のような新しい Notebase には「単語 → 意味」のテンプレートが自動で追加され、自動追加 と表示されます。そのため、どのノートにも最初からカードがあり、カードを手で作る必要はありません。必要なら、文 → 意味のようなテンプレートを追加することもできます。1 件のノートから、テンプレートごとに 1 枚のカードができます。

スケジュールに沿って復習する。 復習 を押します。どのカードも、単語を元の文の中で表示します。意味を思い出したら 答えを表示 を押し(Space キーでも可)、もう一度・難しい・良い・簡単のいずれかで自己評価します。各ボタンには次にそのカードが出てくる時期が表示され、間隔は FSRS アルゴリズムが決めます。スマートフォンで続けたいときは、復習ページに表示される QR コードを使います。

- 使える場所:あらゆるウェブページで選択したテキストと、YouTube、X、Netflix の字幕の単語。
- AI:辞書アクションは、Read Frog の組み込み AI(無料アカウントでも 1 日の利用枠の範囲で使えます)か、OpenAI、DeepSeek、Gemini の自分のキー、または Ollama で動かすローカルモデルで動きます。プロンプトやフィールドは変更でき、たとえば文全体を分解して解説するアクションのように、自分でアクションを作ることもできます。
- 復習:readfrog.app のウェブアプリで行い、スケジュールは FSRS で組まれます。AI の解説がずれていたら、復習画面からそのままノートを直せます。
- Anki:Notebase を CSV でエクスポートして、Anki に読み込めます。逆に Anki のデッキを持ち込むには、デッキをテキストで書き出したファイルを、MCP で Read Frog に接続した AI アシスタントに渡します。ノートはアシスタントが書き込んでくれます。復習履歴はどちらの方向にも引き継がれません。
- オープンソース:はい(GPL-3.0)。
- 料金:翻訳は無料です。無料アカウントで保存できるノートは合計 10 件で、一連の流れを試すには十分です。月額 $3 の Pro にすると上限がなくなります。
- 対応ブラウザ:Chrome、Edge、Firefox。
実際のウェブページを読みながら語学を学んでいて、Anki の設定なしに、どのカードにも元の文と解説を付けたい人に向いています。流れの全体像は学習の流れで、Anki での手順はインポートとエクスポート(Anki、CSV)で説明しています。
2. Yomitan + AnkiConnect
Yomitan は、Yomichan の後継にあたる、無料でオープンソースのポップアップ辞書拡張機能です。AnkiConnect は Anki のアドオンで、これを入れると Yomitan から Anki に書き込めるようになります。この 2 つの組み合わせは、特に日本語の学習で、単語を Anki に「マイニング」する定番の方法です。
- カードの作り方:Shift キーを押しながら単語にカーソルを合わせます。ポップアップに辞書の項目と追加ボタンが表示され、1 回クリックするかキーを 1 つ押すと、Anki のノートが作られます。
- カードに入る内容:インストールした辞書から対応づけたもの。意味、読み、ふりがな、音声、元の文、穴埋め、スクリーンショット、ピッチアクセント、頻度、ページのアドレスを入れられます。先に辞書を少なくとも 1 つインストールしておく必要があります。
- AI:なし。意味はインストールした辞書から引くので、その文の中で単語がどういう意味なのかまでは説明しません。
- 使える場所:テキストを選択できるページならどこでも。別の拡張機能である asbplayer と組み合わせれば、Netflix や YouTube の字幕でも使えます。
- 復習:Anki で行います。AnkiConnect をインストールしたうえで、Anki を開いておく必要があります。
- 対応言語:34 言語。機能がいちばん充実しているのは日本語です。
- オープンソース:はい(GPL-3.0)。AnkiConnect も同じです。
- 料金:無料。
- 対応ブラウザ:Chrome、Edge、Firefox、Android 版の Firefox と Edge。
すでに Anki で復習していて、AI の解説よりも辞書の項目のほうがいい人に向いています。
3. Migaku
有料の語学学習プラットフォームです。Chrome 拡張機能、iOS と Android のアプリ、ウェブ上の復習アプリ Migaku Memory があります。
- カードの作り方:字幕やウェブページの単語をクリックし、もう一度クリックすると、単語、ネイティブの音声、元の文が入ったカードができます。動画からなら、スクリーンショットとその行の音声も追加されます。
- 使える場所:Netflix、YouTube、Disney+、Viki などの動画サイト、あらゆるウェブページ、パソコン内の動画ファイル。
- AI:文脈に沿った単語や文の解説。
- 復習:Migaku Memory で行うか、Migaku の Anki アドオンを使って Anki で行います。
- 対応言語:日本語、中国語(普通話)、韓国語、スペイン語、広東語を含む 11 言語。
- オープンソース:いいえ。
- 料金:無料プランはありません。月額 $10 または年額 $96 で、10 日間のトライアルがあります。
- 対応ブラウザ:Chrome。
主にドラマや動画で学んでいて、カードに音声やスクリーンショットを付けたい人に向いています。詳しい比較はRead Frog vs Migakuをご覧ください。
4. Readlang
語学学習者向けの読書アプリです。ウェブ版のリーダーと、Chrome・Firefox の拡張機能があります。
- カードの作り方:どのサイトでも、アップロードしたテキストでも、YouTube の字幕全文でも、単語をクリックするか、フレーズをドラッグして選びます。訳が表示されると同時にフラッシュカードが作られ、元の文が穴埋め形式で、その訳と一緒に入ります。
- AI:文脈に沿った単語の解説。
- 復習:Readlang 内の間隔反復。カードは穴埋めカードとして Anki にエクスポートできます。
- オープンソース:いいえ。
- 料金:無料プランでは単語 1 つの翻訳は無制限ですが、フレーズの翻訳と AI の解説はそれぞれ 1 日 10 回までです。Premium は月額 $6 または年額 $48、Premium Plus は月額 $15 または年額 $120 です。
- 対応ブラウザ:Chrome と Firefox の拡張機能、ブックマークレット。スマートフォンではウェブアプリとして動きます。
余計な手順なしに、クリックした瞬間にカードができてほしい人に向いています。
5. AnkiMate
読んでいる内容から AI にカードを書かせて、Anki に送る新しい拡張機能です。
- カードの作り方:テキストを選択して右クリックし、Generate flashcards を選びます。サイドパネルを使えば、ページ全体、最大 80 ページの PDF、YouTube の字幕全文からも作れます。まとめてできたカードを確認・編集してから、Anki に送ります。
- テンプレート:9 種類。一問一答、表裏の反転、穴埋め、語学学習のほか、USMLE や GRE の語彙といった試験向けの形式があります。
- AI:初期設定ではブラウザに組み込まれたオンデバイスモデルを使います。自分の OpenAI、Anthropic、Google のキーも使えます。
- 復習:Anki で行います。AnkiConnect をインストールしたうえで、Anki を開いておく必要があります。
- オープンソース:公式サイトに記載がありません。
- 料金:1 日 3 回までの生成は無料です。一括生成と穴埋めには Pro が必要で、$29.90 の買い切りです(リリース時の価格は $19.90)。
- 対応ブラウザ:Chrome、Edge。新しい拡張機能で、私たちが確認した時点では、Chrome ウェブストアのページに表示されたユーザー数はごくわずかでした。
PDF や講義で勉強していて、Anki のカードを AI にまとめて下書きしてほしい人に向いています。
6. AnkiBeam
AI が中身を埋めた単語カードを Anki に送る、語学学習者向けのオープンソース拡張機能です。
- カードの作り方:どのページでも単語を選択し、フローティングボタンをクリックします。この文脈での意味、例文、発音、語源を AI が埋め、1 回のクリックで Anki に保存できます。
- テンプレート:プロンプトを自分で書き、それぞれの出力を Anki のフィールドに対応づけます。
- AI:Gemini、OpenAI、Claude などの自分の API キー。
- 復習:Anki で行います。AnkiConnect をインストールしたうえで、Anki を開いておく必要があります。
- オープンソース:はい(MIT)。
- 料金:無料。AI の利用料は AI プロバイダーに支払います。
- 対応ブラウザ:Chrome。こちらも新しく、確認した時点のユーザー数はごくわずかでした。
自分のキーと自分のプロンプトで、AI が作る単語カードを Anki に入れたい人に向いています。
7. RemNote
どんな科目の勉強にも使える、ノートとフラッシュカードのアプリです。ウェブ、デスクトップ、iOS、Android で使え、クリップ用の Chrome 拡張機能もあります。
- カードの作り方:テキスト(画像も可)を貼り付ける、PDF やスライドをアップロードする、内蔵の PDF リーダーでハイライトする、あるいは Clipper でウェブページのテキストを選択して AI Generate Cards を選びます。保存する前にカードをプレビューして、要らないもののチェックを外せます。カードの種類は一問一答、概念、穴埋めです。
- 復習:RemNote で行います。デフォルトのスケジューラーは Anki の旧来のアルゴリズム SM-2 で、FSRS はオプションのベータ版です。
- Anki:.apkg のデッキを復習履歴ごとインポートでき、フラッシュカードを .apkg でエクスポートできます。
- 語学学習:専用の機能はありません。
- オープンソース:いいえ。
- 料金:無料プランには毎月 250 の AI クレジットが含まれます。Pro は月額 $10、Pro with AI は月額 $20 です。
- 対応ブラウザ:ウェブ版はどのブラウザでも使えます。Clipper は Chrome 拡張機能です。
Anki のコレクションを丸ごと移したくて、講義ノートや PDF で勉強している人に向いています。
8. Knowt
無料の Quizlet 代替をうたうサービスで、ウェブ、iOS、Android で使え、Chrome 拡張機能もあります。
- カードの作り方:ノート、PDF、画像、スライド、動画、YouTube のリンク、Google Drive のファイル、講義の録音を、AI がフラッシュカードのセットにします。Chrome 拡張機能では、ウェブページからフラッシュカードと要約を作れます。
- 復習:複数の学習モードがあり、もう一度・難しい・良い・簡単で評価する間隔反復もそのひとつです。
- Anki:テキストを貼り付ければカードを取り込めます。セットのエクスポートは PDF のみです。
- オープンソース:いいえ。
- 料金:無料プランでもセットは無制限で、すべての学習モードが使えます。料金ページによると、Ultra は年額 $95.99 からです。
- 対応ブラウザ:ウェブ版はどのブラウザでも使えます。拡張機能は Chrome 用です。
Anki を使わずに、授業の資料からすぐに使えるデッキを作りたい学生に向いています。
選び方
- 実際の文章や動画で語学を学んでいる:単語に出会ったその場で、元の文ごとカードにしてくれるツールを選んでください。Read Frog、Yomitan、Migaku、Readlang、AnkiBeam がこれに当たり、Yomitan 以外はどれも AI で単語を解説します。
- 復習は Anki で続けたい:Yomitan、AnkiMate、AnkiBeam は AnkiConnect を通じて Anki に直接書き込み、Migaku は専用のアドオンで書き込みます。Read Frog と Readlang は Anki にエクスポートでき、RemNote は .apkg でエクスポートできます。
- AI を組み込んだ Anki の代わりがほしい:Read Frog、Migaku、Readlang、RemNote、Knowt には独自の復習機能があります。Read Frog は、Anki でも選べるアルゴリズムである FSRS でスケジュールを組みます。
- 単語ではなく科目を勉強している:RemNote、Knowt、AnkiMate は、ノート、PDF、スライドから一問一答のカードを作ります。
- オープンソースを重視する:Read Frog、Yomitan、AnkiBeam は、コードを GitHub で公開しています。
よくある質問
読みながら自動で Anki のカードを作れるツールはありますか?
あります。Yomitan と AnkiConnect の組み合わせなら、キーを 1 つ押すだけで辞書の項目からカードを追加できます。AnkiMate と AnkiBeam は、AI がカードを書いて Anki に送ります。Read Frog と Readlang は、単語を調べると同時にそれぞれのアプリの中でカードを作り、どちらも Anki にエクスポートできます。
AI でカードを作ってくれる、Anki の代わりになるアプリはありますか?
語学学習なら、Read Frog、Migaku、Readlang が、調べた単語からカードを作り、それぞれのアプリで復習できます。ほかの科目なら、RemNote と Knowt がノートや資料からカードを生成します。
Anki のデッキを Read Frog に移せますか?
はい、AI アシスタントを通せば移せます。Anki からデッキをプレーンテキストで書き出し、そのファイルを ChatGPT、Claude など、MCP で Read Frog に接続したアシスタントに渡して、ノートをインポートするよう頼んでください。復習履歴とメディアは移りません。無料プランで保存できるノートは 10 件なので、デッキ全体を移すには Pro が必要です。
Read Frog は Anki のように復習のスケジュールを組んでくれますか?
Read Frog は FSRS を使っています。Anki がバージョン 23.10 からオプションとして提供しているスケジューリングアルゴリズムです。Anki と同じように、カードごとにもう一度・難しい・良い・簡単のいずれかで評価します。
AI が作ったカードは確認したほうがいいですか?
はい。AI は解説を間違えることがあり、特に多いのが語源や覚え方のヒントです。どのカードも、最初に出てきたときにざっと目を通してください。Read Frog なら、セッションを抜けずに復習画面からノートを直せます。
